はじめに私たち人間には、無限の可能性があります。それは決して誇張ではなく、歴史を見ても、多くの偉人たちが不可能と思われていたことを成し遂げてきました。スポーツの世界では、かつて「人類が100メートルを10秒以内で走ることは不可能」と言われていましたが、現在では9秒台が当たり前になっています。科学の分野でも、「空を飛ぶことは夢物語」とされていた時代から、今では宇宙旅行まで可能になりました。このように、人の可能性に限界はありません。しかし、多くの人は「自分には無理だ」と決めつけ、自ら限界を作ってしまいます。特に若い世代には、「どうせ自分にはできない」「才能がない」と思い込んでしまう人が少なくありません。けれども、本当にそうでしょうか? 、「人の可能性に終わりはない」というテーマのもと、若者に向けて可能性を信じることの大切さを伝えたいと思います。自分の限界を決めるのは自分私たちが持つ「限界」は、実は自分自身が作り出した幻想にすぎないことが多いのです。例えば、「数学が苦手」「運動神経が悪い」「絵が下手」などの思い込みは、単なる経験の不足や誤った学習方法が原因であることがほとんどです。しかし、「自分はできない」と思い込んでしまうと、それを乗り越えようとする努力すらしなくなります。心理学では、このような思い込みを「自己成就予言」と呼びます。これは、「自分はできない」と思い続けることで、本当にできなくなってしまう現象です。しかし、逆に「自分はできる」と信じることで、できるようになることも多いのです。つまり、自分の可能性を信じることが、成長の第一歩なのです。失敗は可能性を広げるための経験「失敗を恐れるな」という言葉はよく聞くものですが、実際に失敗をポジティブに捉えられる人は多くありません。特に日本の社会では、失敗に対して厳しい目が向けられることが多く、それが若者の挑戦を妨げる要因にもなっています。しかし、偉大な成功者たちの多くは、数え切れないほどの失敗を経験しています。例えば、発明家のトーマス・エジソンは、電球を発明するまでに1,000回以上の失敗をしました。しかし、彼は「失敗ではない。うまくいかない方法を1,000通り発見しただけだ」と語っています。このように、失敗は決して終わりではなく、成功に近づくためのプロセスなのです。また、スポーツの世界でも、多くのアスリートが敗北を経験しながら成長しています。サッカーのスター選手であるクリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシも、数え切れないほどの敗北や批判を乗り越えて今の地位を築きました。大切なのは、失敗を恐れるのではなく、そこから何を学ぶかという姿勢なのです。環境や才能ではなく、「努力」と「継続」が成功を生む多くの若者は、「成功するには才能や恵まれた環境が必要」と思い込んでしまいます。しかし、実際には才能や環境よりも「努力」と「継続」の方がはるかに重要です。スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授が提唱した「グロースマインドセット(成長思考)」という考え方があります。これは、「人間の能力は生まれつき決まっているものではなく、努力次第で伸ばせる」という理論です。例えば、最初は運動が苦手だったとしても、努力を続ければ必ず上達します。ピアノが弾けなかった人も、練習を積み重ねることで演奏できるようになります。このように、努力を続けることで、人はどこまでも成長できるのです。また、日本の偉大な漫画家・手塚治虫は、天才と称されることが多いですが、実際には膨大な努力を積み重ねてきました。彼は「1日に10時間以上絵を描くこともあった」と語っており、その積み重ねが「漫画の神様」と呼ばれるまでの実力を築き上げたのです。未来を切り開くのは自分自身最後に、皆さんに伝えたいのは、「あなたの未来を決めるのは、あなた自身だ」ということです。確かに、人生には予測できない困難や障害が待ち受けているかもしれません。しかし、それを乗り越えることで、自分自身の可能性を広げていくことができます。「自分には無理だ」と決めつけるのではなく、「どうすればできるか?」と考える習慣を持ちましょう。何かに挑戦して失敗したとしても、それは新たな学びの機会です。すぐに結果が出なくても、諦めずに努力を続けることが大切です。あなたが今抱いている夢や目標は、決して「不可能」ではありません。努力を続け、自分の可能性を信じることで、必ず道は開けます。人の可能性に終わりはありません。だからこそ、恐れずに一歩を踏み出してみましょう。未来は、あなたの手の中にあります。そしてそれを現実のものにするステージが、ここつくば開成高等学校にはあります。